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人類最初の太平洋無着陸横断の記録〜 No.2

資金とベランカスカイロケット

WRIGHTJー6エンジンに関しての1931年2月19日付の書簡。(あのGiusseppe Mario Bellanca氏の直筆サインがみえる。)
フライングサーカス時代に彼の下で働いていたハーンドーン(Hugh Hurndorn)の母親ミセスボードマンから10万ドル及びハーンドーンのおばから1万5千ドルの資金を受け、早速ATW社 (Around-The-World) を設立し、ニューヨークルーズベルトホテルのスイートルームをそのオフィスとした。残念ながら社長には全ての面で無能であったハーンドーンが就任し、パングボーンは技術的なことを一切任されたが2番手のマネジメントに甘んじた。ハーンドーンの無能さが、世界一周飛行を完遂する上でいかにじゃまになることか、この時点ではパングボーン自身も気づかなかった。ただ悲しいかな資金面でハーンドーンファミリーがいなければ、このプロジェクトを始められなかったことも事実であった。パングボーンは1930年製のベランカスカイロケットをベースに、ロングフライトに必要な改良を施した。ウィングスパンを約14.7mまで延長し、Wright J-6エンジンからP&W425馬力Waspに換装した。また燃料タンクも標準600ガロンタンクから700ガロンタンクに換装し胴体下部に予備タンク100ガロンも搭載した。このエンジンの換装についてもハーンドーンはパングボーンの指示に従わず、1931年6月までWright J6の仕様のまま製作がすすめられていた。しかしパングボーンが最終的にハーンドーンを説得し、ぎりぎりの時点でP&W425馬力Waspに換装できたという経緯がある。とにかくこれで巡航速度約124mphで航続距離5,800マイルを稼ぐことができるようになった。またエンジンオイルをハーンドーンの祖父の経営する会社、ビードルオイル社(Veedol Oil)から提供されていたため、オイル缶の色と同じオレンジドープで機体を塗装して、"ミス・ビードル"と命名した。ちなみにこのときATW社がベランカエアクラフトコーポレーションに支払った総額は20,295ドルであった。


ミス・ビードルの改修諸元表

ミス・ビードルの中間支払分領収書

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