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ひねり角のついた折ペラ用ヨークについて


独アエロノウト社製の折ペラ用ヨークには47-0とか42-2.5あるいは52+5などの種類がありますが、かなりわかりにくいことかと思われますので少し説明させていただきます。
(1)
まずアエロノウト社製の折ペラ用ヨークの基本ですが、最初の47、42あるいは52という数値はブレードを固定する左右のねじ穴間の距離を表しています。(スピンナーを選ぶときはこれらの数値以下のサイズを選ぶ必要があります。)また固定できる折ペラは根元の寸法が幅8ミリ、穴径3ミリのブレードに限定されます。アエロノウト社製(RFM社製なども含む)の折ペラは全てこのサイズに合致しています。またヨークセンターの穴径は8ミリで、8ミリ外径のコレットあるいはスレッドシャフトにフィットします。このセンター穴にはテーパーはつけられておらず上面も下面も同じ8ミリ径のストレート穴になっています。
(2)
続いてその後ろに記載されている、-0、-2.5あるいは+5は、ブレードを固定するための左右のボルト軸が0度,マイナス2.5度あるいはプラス5度などのひねられていることを表示しています。つまり通常は0度のヨークを使えば、ペラのピッチはそのままですが、ブレードの取り付け軸をひねることでブレードのひねり(羽根角あるいはピッチ角と同義)を替え、同じピッチのペラでもピッチを増やしたり減らしたりすることができるようにしたものです。
(3)
では一体ブレード軸のひねりを変更することによって、どれだけピッチが変化するのでしょうか?ちなみにピッチとはプロペラが1回転した時に進む距離です。通常はインチで表示されています。例えば16X10のペラは直径16インチ(約41センチ)、ピッチ10(1回転で約25.4センチ進む)を表します。
一般にピッチ(P)は次の式から導かれます。
P=2πr tanβ
すなわち
ピッチ=2*円周率*プロペラ半径*ブレードひねり角βの時のタンジェント係数
または
ピッチ=プロペラ直径*円周率*ブレードひねり角βの時のタンジェント係数

つまりピッチはプロペラの一番先端が一周した時の円周移動距離とブレードひねり角度によって計算されるタンジェント係数を合成したものということになります。
ところで三角関数Tangentの各角度における係数はおおよそ次の通りです。
1度・・・・・0.0175
2.5度・・・・0.0437
5度・・・・・0.0875
(4)
実際の例を使って計算してみるとどのようになるのでしょうか?
16X10の折ペラの場合、ひねり0度のヨークを使えばピッチは10(1回転で10インチ=約25.4センチ進むこと)のままですが、ひねりプラス5度(タンジェント係数0.0875)のひねり角が付いたヨークを使うと下記計算式から約4.4インチ(約11センチ)が進む距離が増え、16X10が16X14.4のペラと同じになるということになります。
16x3.14159x0.0875=4.398インチ
さらに20X10の折ペラの場合ではどうでしょうか?この場合は5.5インチ増えることになり、20X10が20X15.5のペラに変化するということになります。
20x3.14159x0.0875=5.4978インチ
もしひねりマイナス5度のヨークを使うと、上記の計算結果を差し引くことになり16X10は16X5.6となり、また20X10は20X4.5になります。
ところでここで素朴な疑問が出てきます。上の式は正しいとしても直感的に同じピッチのペラに同じ量だけひねり(羽根角あるいはピッチ角)を変化させただけなのにペラの直径によってピッチ(進む距離)が違ってくるのか?大きいサイズのペラのほうがピッチの伸びが大きく、(マイナスの場合もピッチの減り方も大きい)なっています。ラジコンを長くやってきた人には直感的に理解しがたいことかもしれません。
イメージとして同じピッチのペラは全て同じひねり(羽根角あるいはピッチ角)になっていると考えがちですが、実はプロペラは直径が大きくなるほどひねり角(羽根角あるいはピッチ角)を小さくして、直径の如何にかかわらず同じ距離(同じピッチ)を進むよう設計されています。下図を参考にしてください。

※「航空工学講座�� プロペラ」より転用
プロペラの先端や根元あるいは中間の各位置で異なる円周移動距離にかかわらずピッチを同じにするためにひねり(羽根角β)を変えています。すなわちプロペラは先端へ行くほどあるいは直径が大きいペラほど根元あるいは直径の小さいペラに比べて、迎角(羽根角あるいはピッチ角)を小さくして、同じピッチを生み出すよう設計されています。もし根元から先端まで同じ迎角(羽根角あるいはピッチ角)にしてしまうと先端へ行くほどピッチが大きくなり、その結果先端がどんどん前に行くことになり、極端な場合回転中に先端のほうから破損して吹き飛ぶといった結果になるわけです。
元に戻って16X10の先端迎角(羽根角あるいはピッチ角)は約11度ありますが、20X10の先端迎角(羽根角あるいはピッチ角)は約9度しかありません。 直径の小さい16インチのブレードの迎角(羽根角あるいはピッチ角)11度をさらに5度増やしで16度にしたインパクトは約1.45倍(16/11)、直径の大きいすなわち20インチのブレードの迎角(羽根角あるいはピッチ角)9度をさらに5度増やして14度にしたインパクトは約1.55倍(14/9)、すなわち直径の大きいプロペラのほうが同じ角度変化でも相対的なインパクトが強くなり、ピッチが増える結果となっています。
このようにひねりが変わると同じペラでもピッチが変化しますので、お手持ちのペラをもっとパワフルなペラにしたと思うときはぜひプラスのひねり角のついたヨークを選んでください。また持っているペラのピッチが強すぎるという場合はマイナスのひねり角のついたヨークを選んでみてください。もちろん電流値が大きく異なってきますので、注意が必要なことは言うまでもありません。