経費の問題


そのような貴重な短い練習時間しかないのに、操縦が未熟なために機体を見失ってロスト、高い木に引っ掛かったままあきらめの悲しいロスト、河川や海への落下、沈没によるロストで、コントローラーとドローン収納ケースだけ持って帰るという笑うに笑えないことも起こります。実際のドローンは安くありません、再度新品購入あるいは修理や部品交換によって費用がどんどんかさんでいきます。もちろん費用もさることながらロストやクラッシュした日はもう練習は続けられません。悲しみに打ちひしがれて無言で帰るだけです。精神的にもよくありません。

練習時間の問題


たとえ市街地から遠く離れた飛行可能な場所を見つけても毎日は通えず、さらに雨や風の日には飛ばせないので実際のドローンによる反復練習というのは、遅々とした訓練を長いインターバルをはさんで繰り返すことになります。これでは今日せっかく覚えたことも2週間後には元の木阿弥で、また最初からやり直しといったことが続くことになります。限られた時間内での実機による練習は極めて効率の悪い方法ということになります。

練習場所の問題


ところが実際にドローンを購入しても全備重量200g以上の機体は、航空法の規制により飛行できる場所は極めて限定されています。人口密集地域、市街地では100%飛行禁止、郊外でも人家から30メートル以上離れた広い場所以外は飛行禁止です。公園等公共の場所での飛行はもちろん絶対にできません。このような規制がある以上実際のドローンでの練習というのは非常に困難です。運よく飛行可能な場所を見つけてもやはり市街地から相当に離れた場所ということになり、毎日のように練習に通うことは事実上不可能かと思います。

飛行訓練は絶対に必要だ

ドローンを安全にまた自在に飛行させるためには絶対に訓練が必要です。自動車免許を取るために教習所で何十時間も練習したことを思い出してください。それでも実際の道路を緊張せず思ったように運転できるようになるまでややしばらく時間が必要だったのではないでしょうか? 自動車の運転は道路の平面を前後左右に走らせるいわば2次元の操作です。それだけでも難しいことだったのに、ドローンは前後左右の動きに上下の動きが加わった3次元空間での操作になります。さらに自動車と違って操縦者はドローンに乗っておらずドローンの外側から3次元空間で操作することになります。さらにドローンの方向も飛行速度もすべて外側にいる操縦者の目で見ながら間接的に理解しながら操作することになります。また3次元となると上下左右という単純なものではなく、上昇や下降しながら前進や後退、左右に移動しながら上昇下降、回転しながら上昇下降といった複雑な動きを自在にコントロールできるようにならなければ実際のドローンを飛ばすことはできません。だから絶対に飛行訓練が必要なのです。 ドローンを購入してスイッチを入れてローターが回りだし、何かの間違いで上空へ上がったとしても、すぐに機体の向きを見失いどんどん離れて行ってパニックになることもしばしば。運よく自分の近くで飛んでいても向ってくる時と離れていく時ではコントローラーの操作を逆にしなければならず、理屈ではわかっていても自分の指が連動せず、全く反対の方向へ行ってしまい大慌て、スロットルを急いで下げて地面にクラッシュ。残念ながらそんなことが現実です。だからいつでもどこでも安全に飛行できるよう反復練習が絶対必要なのです。